地挽雅人院長 インタビュー

田園都市線青葉台駅からバスで10分、バス停から歩いて3分。地挽歯科医院は、鴨志田消防出張所のすぐ隣にある。入口は車いすの方にも嬉しいゆるやかなスロープづかい。ドアを開けると昔ながらの歯科医院の看板が。院長の祖父が開業された大正15年当時の看板を大切に保管されている。そして、受付には歯の型をとる石膏で作ったマスコットがずらり。来院するお子さんにさし上げていると、照れながら語ってくださった地挽先生は数少ない口腔外科のスペシャリスト。口調は、自分がやらなければという使命感にあふれていた。
※取材日 2007年10月25日

地挽雅人院長

僕がやらなくちゃという使命感

待合室の看板を拝見しました。おじい様の代から歯科医だったのですか?
祖父の代に開業した東京の港区の医院は今は父がやっておりますので、僕はここ青葉台で開業し今年で11年目になります。中学高校と慶応だったので、そのまま経済学部などという道もあり迷ったのですが、祖父の代から歯科医師という環境で育ってきたこと、そして自分の城を築いていきたかったこともあり、歯科医師を志しました。鶴見大学歯学部を卒業後、大学院にて口腔外科を専攻。医局の助手、形成外科の診療医を経て開業しました。現在は昨年4月からの歯科医師臨床研修制度に伴い、臨床研修も引き受けています。
口腔外科の救急医療を受け付けていらっしゃるとか?
強盗に襲われて唇を切ったり、オートバイで倒れて歯を折ってしまった方などがいらっしゃいますね。隣が鴨志田消防出張所ということもあり緊急時は夜中に起きて治療します。ただ、僕も昼間の診療に携わっていますので仮歯や詰め物が取れたなど、急を要しない治療は昼間の診療時間にいらしていただくようお願いしています。翌朝まで待てない疾患や交通事故での口腔外傷などを引き受けています。そういえば先日、刑事さんがいらっしゃいましたよ。犯人を捕まえたのがよほど嬉しかったのでしょう。帰りにお酒を飲んでしまい、電車で転んで舌を切ってしまわれたようでした。口腔外科は専門医も少ないので、僕がやらなきゃいけないという使命感がありますね。

無理のない、その人にふさわしい治療法を

力を注がれている専門分野をお聞かせください。
大学院時代、顎関節症をテーマに研究し、学位を取得しました。病態にも詳しいので顎関節症の治療や難しい親知らずの抜歯など口腔外科全般です。抜歯はケロッとしている方もいれば、反応が大きく出る方もいらっしゃいます。痛みに対する反応は人それぞれですね。 あまりにも怖がる方は静脈内鎮静法といって静脈内に麻酔薬を注射し、半分眠ったような状態で治療を行うこともあります。また、保険内で可能な笑気吸入鎮静法もあります。華マスクで笑気ガスを吸入するだけで痛みを和らげます。一般的には、歯科衛生士と協力しながら、声かけをすることでリラックスしていただいています。
診療の際、心掛けていることをお聞かせください。
無理のない、その人に一番ふさわしい治療方法が一番ですね。僕は患者さんの話をしっかり聞いたうえで治療法を考えます。寝たきりの高齢者の訪問診療も行いますが身体の状況によって違ってきます。例えば、血がサラサラになるお薬を飲まれていて、抜歯ができない患者さんもいらっしゃいます。その場合歯は抜かないで治療するとか、担当医師に薬を止めていただいて抜歯するとか、その人に応じた治療を行っています。また、ケアマネージャーの資格も持っています。心臓や肝臓に疾患を持つ方の歯科治療は非常に難しいんです。というのは、治療自体も難しいのですが、その疾患によりさまざまな問題を引き起こしやすいので、敬遠する医師も少なくありません。でもそういう患者さんこそ、僕が診療するべきと思ったんです。いろいろな施設や病院と連携できたらいいなと思い、ケアマネージャーの資格を取得しました。ただ、今は本業の診察が忙しくて、なかなかケアマネージメントのプランが立てられない状態です。

一番大切なのは、歯を大切にする気持ち

どのような子供時代でしたか?
小学校の時は、野球ばかりやってましたね。当時の港区はマンションもなく、空き地もたくさんありましたから。中学では3年間、フェンシング部に入っていたんですよ。高校では進路に迷いましたが、僕は長男ということで歯科医を引き継ぐことを決意しました。
お休みの日はどのようにリラックスされていますか?
子供が二人いるんですが、以前は動物園や遊園地に遊びに行ったりしていました。でも、今は小学3年と6年と大きくなったので、連れて行っても喜ばれなくなりましたね。今はオヤジがうっとおしいみたいな(笑)。 日々の体力づくりにゴルフに行ったりしています。
思い出に残っている患者さんとのエピソードをお聞かせください。
寝たきりの高齢者を診ていると、診療して入れ歯を入れるという段階に亡くなられてしまうことがあります。診療時には元気な方だっただけにこれは辛かったですね。でも、犬に舌を噛まれた患者さんが深夜に運ばれてきて、夜中に起きて一生懸命に縫ってあげた方が元気になったと聞いた時は、本当に嬉しかったですね。
口腔内の健康を保つアドバイスをお願いします。
歯を大切にする気持ちがあるかどうかが、実は一番大切なんですね。悪くなったら行けばいいだろうという考え方では、いくらいい入れ歯を作っても、いくら白い歯を入れても元の木阿弥です。僕がよく言うのはカツラを作ったとしても自分の髪の毛よりいいカツラはできない。地雷で足を失ってしまっても、自分の足よりもいい義足を作れた人はいないと思うんです。歯だって同じです。 自分の歯よりもいい義歯を作った人はいないと思うんですよね。何よりも本来自分の持っている歯を大切にしてほしいですね。
今後の展望をお聞かせください。
口腔内の救急処置をはじめ、訪問診療、難しい口腔内の疾患の処置など、より質の高い口腔外科治療で、皆様のお役にたてれば幸いです。

医院情報

地挽歯科医院 住所:〒 227-0033 神奈川県横浜市青葉区鴨志田824-25 TEL:045-961-2015
診療時間
9:00~ 13:00 / /
14:30~ 19:00 / /

*東急田園都市線青葉台駅より鴨志田町団地行き又は寺家町循環バス7つ目《中谷都》下車徒歩3分

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